【BL】腐男子な俺の恋フラグ
「それにしても、未だに客俺だけかいな」
そう目の前のセクハラオヤジは頼んだアイスを口に運びながら言った。
開店時刻から10分経過した。しかし、未だに客はこの目の前のオヤジ1人だった。昨日はこの時間にすでにもう2,3人来ていた。…分かっていたけど地味に傷ついております。
だから俺も暇なので、このオヤジと会話する事にする。
「…まぁ、昨日奇声を上げてしまいましたからね」
俺的には歌声だけど、皆下手くそって言うからさ。自重したんだ。
すると目の前のオヤジは、
「愛の叫びにしか聞こえんかったけどなぁ」
コイツ、耳腐ってんのか?
指には婚約指輪でないオシャレなリング。服はまぁ、そこそこのブランド。靴は…も…そこそこのブランド品。かばんは…よく分からん。俺、あんまり詳しくねーし。見た目もセクハラ部分を除けば普通の顔立ちだ。
…人って見かけによらないよなー
「ん?槙ちゃん、そんなに儂を見つめて惚れてもたか?」
「いいえ、2度も来て下さったお客様に多少興味が湧きまして」
「あぁ、とうとう惚れてもたんか。儂ってなんて罪な男なんやろうな?」
罪と言うより存在が犯罪だろ。