【BL】腐男子な俺の恋フラグ
「ありがとうございます。お…私は、あなたみたいな優しい人がここに足を運んで来て下さっただけで幸せ者です。昨日は大変失礼致しました」
ペコリと頭を下げた俺に向かっておじさんは俺に言った。
「もしかして、槙ちゃんが元気ないんはお客が来ぃひんからか?」
俺は図星をつかれ、何も答える事が出来ず、ただニコリと笑ってごまかす。
「なんや、そういう事かいな。それなら儂にも責任があるしな。よし、分かった。儂が今から知人ようさん呼んだるからな。こう見えて儂、顔広いんや」
呆然とする俺の目の前でおじさんは次々と電話をかけまくった。
今からマルトオ来い。絶対やとか、マルトオ今から来てやとかたった一言だけで通話は終了した。
相手によって口調は違ったけど、俺はただただ呆然と見守るしか出来なかった。
そして一通り通話を終えると彼はニッと笑って
「コレで安心してや。多分これからたくさんの人が来てくれはるからな。槙ちゃん大忙しや。…あ、しもた。槙ちゃんもう独占出来ひんやないか」
俺はどうしていいか分からず、とりあえずペコリと頭を下げる。