【BL】腐男子な俺の恋フラグ


「まぁ、それは半分冗談でもなくてな」





じゃあ、何で今の前置きを言うんだ。






「槙“君”一生懸命頑張っとるし、ちょっとは儂のせいもあるし。…それにな」






するとポンと俺の頭に手を置き、






「槙君は儂に媚び売った目を1度もせぇへんかったからな」






俺にはおじさんの言う事がイマイチ理解できなかったが、それよりも重要な事があった。






「…今、槙君って言いました?」



「おぉ。儂は最初から気付いてたぞ。女装までして手伝いしとるのに客来ぉへんのは可哀想で見てられんかったという理由もある」




「………………」






俺、絶句。






「他の奴らは騙せても儂の目はごまかされへん。ジロジロ観察してたら分かったわ」






じゃあ何、アレか。この人は分かっててあんな事やこんな事を言ってたのか。
俺、もう土に埋まりたいんですけど。
あの俺の努力はなんだって感じなんですけど。

頭がグルグルして困惑してる俺におじさんはさらなる追い打ちをかけた。







「いつでも養ったるからな、おいでや」






そして名刺を握らされ、おじさんは晴れやかな笑顔で帰って行った。
< 401 / 429 >

この作品をシェア

pagetop