社長と極上の生活
あれよあれよという間に、車に乗り込み
村岡の運転で病院へと向かった。
その間にも、杏花は何度も苦痛に顔を歪めて。
俺はどうしていいのか分からず、
必死に杏花の手を握りしめていた。
病院へ到着すると、
担当の医師と看護師らが俺らを出迎えた。
「とりあえず、分娩室へ!!」
―――――分娩室?
ん?………分娩室!!?
それって、今にも産まれそうって事か?!
どういう状況なのかも分からず、
杏花と共に分娩室へと向かう事に。
分娩室に到着すると、
杏花の身体に幾つもの器具が付けられた。
お腹にはベルト、指先には心電図。
腕には血圧計、手首には点滴。
物凄い速さで処置がなされてゆく。
そんな様子を分娩台の脇で見守っていると
「一条さん!!」
「んッ?!」
突然、背後から腕を掴まれ声を掛けられた。