社長と極上の生活
「すみませんが、そこで手洗いし、消毒して、これに着替えて下さい」
物凄い早口で告げられ、手術服のようなモノを手渡された。
「何をボケッとしてるんです!!早くしないと赤ちゃんが産まれちゃいますよ?」
「へ?」
真剣な表情の看護師に促され、
慌てて手洗いし、消毒を。
俺は緊張しながら、手渡された服を纏うと
「このスリッパに履き替えて入室して下さい」
「……はい」
言われるままにスリッパに履き替え、
看護師の後を追って再び分娩室へ戻ると、
「はぁ~い!!ご主人が来ましたよ~」
杏花の担当している女医が
待ってましたと言わんばかりに声を掛ける。
「奥様の背中を支えて、少し起こして下さい」
「はい!!」
言われるままに杏花を支え、座るような角度に。
すると、分娩台が自動に起き上がった。