社長と極上の生活


「すみませんが、そこで手洗いし、消毒して、これに着替えて下さい」


物凄い早口で告げられ、手術服のようなモノを手渡された。


「何をボケッとしてるんです!!早くしないと赤ちゃんが産まれちゃいますよ?」


「へ?」


真剣な表情の看護師に促され、


慌てて手洗いし、消毒を。


俺は緊張しながら、手渡された服を纏うと


「このスリッパに履き替えて入室して下さい」


「……はい」


言われるままにスリッパに履き替え、


看護師の後を追って再び分娩室へ戻ると、


「はぁ~い!!ご主人が来ましたよ~」


杏花の担当している女医が


待ってましたと言わんばかりに声を掛ける。


「奥様の背中を支えて、少し起こして下さい」


「はい!!」


言われるままに杏花を支え、座るような角度に。


すると、分娩台が自動に起き上がった。


< 104 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop