社長と極上の生活
「俺がそばにいる」
優しく語りかけ、彼女の手を握り
汗が滲む額に触れるだけのキスをした。
ほんの一瞬だが杏花も俺に応えるように
柔らかい笑顔を覗かせた。
そんな俺らを微笑ましく見ていた女医は
「はい、ではそろそろ、赤ちゃんとのご対面ですよ~」
俺と杏花は顔を見合わせた。
「杏花さん、いいですか?さっきより深く息を吐いて、限界の所で我慢して止めて下さいね?」
「………はい」
浅い呼吸を繰り返している杏花は
深く息を吸い込み、
女医の指示通り、深く息を吐き始めた。
その呼吸に合わせるように、
俺もまた、杏花のお腹に手を添えて。
「フゥ~~ゥ~~~ゥ~~んッ!!」
息を止めた杏花は俺の腕を必死に掴んだ。
「ん~~ッん~~ッ!!」
漏れ出す声は何とも苦しそうに……。
俺の腕を握りしめる彼女の手を
包み込むようにギュッと握ると、