社長と極上の生活


「んっぎゃあ~~んッぎゃあぁ~~」


緊迫した分娩室に


突然、元気な鳴き声が響き渡った。


「はぁ~~~あぁ~~」


杏花がぐったりしながら大きな息を吐き、


俺に安堵の表情を見せた。


「おめでとうございます!!元気な男の子ですよ~」


女医が満面の笑みで我が子を抱いている。


「かなっ……め。男の子……だって」


涙目で俺を見る杏花。


「ん、ありがとうな、杏花」


「うん」


汗ですっかり濡れた前髪をそっと横へ流し、


俺は再び触れるだけのキスをおでこに。


杏花は優しい笑みを零した。


すると、


「では、お父さん?」


―――――お父さん?


って、俺の事か?!


「あっ、はい!!」


「これで、臍の緒を切ってあげて下さいね?」


「へ?」

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