社長と極上の生活
「杏花」
「ん?」
「明日の午後に、お義父さんとお義母さんが来るそうだ」
「ホント?」
「あぁ」
「お盆前で忙しい時期なのに…」
「娘と孫には代えられないだろ?」
「フフッ」
ベッドに横たわる杏花の髪を撫でると、
「私、漸く、職務を全うしたわね?」
含み笑いでおちゃらける杏花。
俺もまた、相乗りする形で。
「任務完了、ご苦労であった」
お互いに見つめ合い、笑みが零れる。
俺は改めて……。
「杏花、俺を父親にしてくれて、本当にありがとう」
「私こそ、母親にさせてくれて、ありがとう」
嬉し涙を溢れさせる杏花は
世界一、美しい笑みを浮かべた。
そんな彼女に極上のキスを。
何度も何度も危機を乗り越え
やっと手にした倖せの瞬間(とき)
それは何ものにも代え難い
最高で極上の愛の形。
俺と杏花で紡いだ……愛の結晶。