社長と極上の生活


「今すぐ、出掛けるご準備をッ!!」


「はっ?!」


沢田は入室するや否や


俺が見ていた書類を有無を言わさず片付け


物凄い勢いで俺のジャケットを手にし、


奪い取るかの勢いでパソコンを閉じ始めた。


あまりの異様な光景に唖然としていると、


「社長ッ!!」


「あっ、悪い」


眉間にしわを寄せ一喝されると


思わず、謝罪の言葉を口にしていた。


何が何だか分からないが、


沢田の慌て様からすると、非常事態のようだ。


俺はビジネスバックに手帳を入れ、


社外用のノートパソコンもそこへ収めた。


すぐさま椅子から立ち上がると、


「急いで下さい!!」


「あぁ」


沢田が俺から鞄を奪い取ると、


踵を返し、ドアへと急ぐ。


そんな沢田の後を追うように


俺もまた急いで部屋を後にした。


沢田が向かった先は―――……―――


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