社長と極上の生活
鞄から手帳とファイルを取り出し、
今後のスケジュールを確認する。
年明けの1月20日から着工予定
同年4月頃から内装・外構着工予定
そして、6月下旬オープン予定と記されている。
結論から言って、オープン予定は変更できない。
これは誰が何と言おうと、譲れない。
だからこそ、打開策を練らねば……。
梁瀬社長が開示する乾燥度合いの表を目にして、
「通常は建物の完成後に外構工事の着工ですよね?」
「あっ、はい、通常はそうです。ある程度の段階までは、内装工事の職人の出入りや機器の搬入など、外装工事が行われていると不便を来たすとされております」
「では、搬入等に使用しない敷地部分の外構工事は可能ですか?」
「えぇ、無理ではありません。大型トラック等が出入りする場所さえ確保出来るのなら、そこは職人の腕次第です」
「では、材木が乾燥し使用出来るまでの間、他の業者と場繋ぎします」
「えっ?!…………」