社長と極上の生活
「落ち着けって」
「ッ?!………落ち着いてなんて………られないわよッ!!」
正気を失ったかのように、怒りに満ちた表情を。
悲しみの次は悔しさを露わにし、
そして今、怒りに満ちた表情に変った。
泣き顔で俺の顔を睨んでいる彼女は
俺の胸元のパジャマをギュッと掴んでいる。
瞳の奥は悲哀に満ちあふれ、それを隠そうと
怒りをぶつけて来ているかのようにも取れる。
育児疲れは精神の崩壊を招くとも聞いた事がある。
もしかして、杏花もストレスが溜まっているのか?
そんな事を考えていると、
「もう………愛してくれないの?」
「へ?」
今のは幻聴か?
またまた意味不明な事を言ったぞ?
「私は………斗賀の………ママでしかないの?」
「ん?」
「私は、どうしたらいいの?………お願い、教えて?」
「ちょっと、待った。………言ってる意味がサッパリ解んねぇんだけど?」
「………」
「………杏花?」
脳内を物凄い速さで彼女の言葉が駆け巡った。