社長と極上の生活


久しぶりにヒールのある靴を履いたから、


ちょっと下半身が疲れて来たかも。


ホテル勤務時代は毎日パンプスで仕事をしてたし、


要と外出する時は


出来るだけヒールのあるモノを履くようにしていた。


長身の彼と並んで歩くのにどうしても身長差がでるから。


30分程ウォーキングをして、


クールダウンの為、靴を脱いで足を解す。


意外な所に違和感を覚え、手を添えると


「そこが疲れましたか?」


「えっ?……あっ、はい」


「それでいいんですよ」


「えっ?」


「頭のてっぺんから背骨を通って、腰の中心から踵に1本の筋が通るみたいにして歩いた証拠です」


私は腰の下部を擦ると、


「もう少し休んだら、次はこれを履いて下さい」


「………はい」


目の前に差し出されたのはヒールが7㎝程のパンプス。


先程のパンプスよりレベルが少し上がった。


恐らく、高級な靴なのだろう。


履いていて痛くないし、踵が脱げない。


だから、ウォーキング自体は問題なくこなせるけど


ペタンコ靴に慣れてる私には7㎝はかなりの難関だ。


眉間にしわを寄せ、パンプスを眺めていると


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