社長と極上の生活


「それだけ?」


「えっ?」


「他には?」


「他には……って?」


「斗賀と俺への愛情は同じなのか?」


「はい?」


愛情は同じ……?


そんな事、考えた事ないわよ。


斗賀も大事だし、要も同じく大事よ。


私にとってかけがえのない家族だもの。


困り果ててジッと見据えていると、


「じゃあ、どっちの男の方が好みのタイプ?」


「はい??」


要は至って真剣に聞いてくる。


質問の内容がおかしいわよね?


どっちの男の方がって、斗賀は赤ちゃんだよ?


生後4か月の息子と競ってどうするのよ。


ホント、要のこういう所は変わらない。


斗賀に対して敵対心丸出しだもの。


でも、そこが可愛らしいというか、


むず痒いというか……。


私をちゃんと『女』として扱ってくれている。


だから、そんな彼に対して私はちょっと悪戯っぽく、


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