社長と極上の生活
驚いた表情の要の頬に手を添え、
「あなたの幼い時も、きっと斗賀みたいに可愛らしかったんでしょうね」
「フッ、………どうかな?」
「少しずつ成長して、やがて思春期を迎え、私以外の女性に目を奪われるようになるのもあっという間よね」
「フフフッ、そうかもな」
複雑な表情の要に対して、
「そんな日が訪れたとしても、私の隣りには要が居てくれるのよね?」
「当たり前だろ。ってか、急にどうした?」
「ん?………子育てって、切ないものだなぁって思って」
「切ない?楽しいの間違いじゃないのか?」
「ん、そりゃあ、楽しいわよ。念願の我が子ですもの。だけどね?こうやって手塩に掛けても、10年ちょっとしたら親より大切な人が出来てしまうんだなぁと思って……」
「………育児鬱か?」
「ううん、そんなんじゃなくて。ただあまりに要に似てるから、親離れするのが大変だろうなぁと思っただけよ」
「フッ、それは多分大丈夫だろう」
「えっ、何で?」
「コイツにかまってやれないくらい、俺が杏花を手放さないから」
「ッ?!//////」
「何だったら、今から奪いにかかるけど?」
「えっ?!」
「期間限定とはいえ、斗賀に貸すのも惜しいからな」
「なっ/////////」