社長と極上の生活
「要ッ!!……時間、大丈夫なの?」
「ん?………あっ、ヤバッ!!沢田に文句言われる」
「だったら、ほら急いで!!」
「ん、ごめん。……ありがとな」
―――――チュッ
軽く触れるだけのキス。
だけど、今はそれさえも愛おしい。
要はスーツを着替えに上階へと向かった。
要が会食に出掛けた後、
私はいつも通りに夕食を取り、
斗賀を寝かしつけた後、コソコソを準備をして。
―――――ヨシ!! 始めるわよ?!
自分に言い聞かせるように、
7㎝程のヒールを履いて家中を歩き始めた。
………先生に戴いた新品の練習用パンプス。
レッスンで教わった事を復習して、
身体に叩き込ませるように何度も歩く。
小一時間程ウォーキングした私は、
村岡さんが用意してくれたお風呂に入り、
そして、教えて頂いたストレッチマッサージを施した。
何事も日々の努力が大事なのよ。
私は教わった事を忘れまいと、レッスン日記を付ける事にした。