社長と極上の生活
ゆっくりと甘い毒を注がれているみたいに。
彼の指先が髪を梳きながらゆっくりと首筋へと。
彼が触れる部分が熱を帯びて痺れ始める。
呼吸する事さえ許されないみたいに
瞳を捕らえたまま、彼の甘い吐息が降り注ぐ。
ゆっくりと影が落ちて来たのを合図に
………………私は再び瞼を閉じた。
浅い呼吸を刻みながら、要の胸に倒れ込むと
「ホント、抱く度に音色が変化して……ますます虜になるな」
「ッ?!////////」
もうッ!! 何て事を言うのよ!!
『音色』って、その事だったの?!
この人の腕の中限定の音色だなんて////
恥かし過ぎて、蒸発しそう。
全身から湯気が出そうなくらい火照りを感じると、
「そろそろ、2曲目を演奏したいんだけど?」
「ふぇっ?」
思わぬ言葉が降って来た。
恐る恐る顔を持ち上げ、要の瞳を見つめると……。