社長と極上の生活
「2曲目はハードロックがいいかな?」
「ッッッ?!!!」
フッと片方の口角を上げて、不敵に微笑み
親指でゆっくりと私の唇をなぞり、
「どんな音色が聴けるのか……楽しみだな」
「ッ////////」
もう……どうしよう。
完全にスイッチが入ってしまったらしい。
サラリと流れる前髪の隙間から
妖しい光を放つ瞳がジッと見据えている。
そんな風に見つめられたら、
私はどこへも逃げれないじゃない。
「………杏花」
甘美な声色が耳元を犯す。
熱い吐息が首筋にかかり、ビクッと身体が震える。
それが合図のように、
彼の唇はゆっくりと首筋をつたい、
鎖骨へと這って行き、
時折、ジンッと痺れる華を咲かせながら
身体中に張り巡らせた弦を弾いて………。
「……愛してる………杏花」
薄れゆく意識の中で、
最愛の人の腕に包まれて……――……