社長と極上の生活
俺の言葉を軽く無視して、
帰国後のスケジュールを確認中の沢田。
「なぁ、聡。………聞こえてんだろ?」
「…………それで?」
「それで?………って?」
「要が限界ってのは分かった。で、お前はどうしたいんだよ……?」
そ、それって………。
俺の希望を考慮してくれんのか?!
俺は嬉々とした瞳で隣りの沢田に視線を向けて。
「杏花に逢いたい!斗賀にも逢いたいし、のんびり過ごしたい!!出来れば、2~3日完全オフで家でまったり過ごしたいけど、無理なら1日でもいい!!頼むっ!!休みが欲しい!!」
「…………」
羨望の眼差しで沢田をじっと見据えるが、
沢田からの返答は無い。
待てど暮らせど、
表情1つ変える事無くスケジュールを確認中の沢田。
おい、人に聞いておいて無視かよ。
あっ、もしかして、聞くだけだったとか?
それ、マジでへこむ。
期待させといて、突き落とすって……趣味悪過ぎんだろ。
沢田は真剣な表情でメモをし始め、
俺の存在自体も無視し始めた。
ぬか喜びしてしまった俺は現実を受け止め、
無言のまま、視線を窓の外に移した。