社長と極上の生活
肩にかかる重みとグラッと揺れる体感。
「っなめ、………要、着いたぞ」
聞き慣れた声に反応するように重い瞼を押し上げると、
俺らを乗せていた機体は成田空港に到着していた。
連日の過密スケジュールのお陰で身体は限界間近。
いつの間にか、俺は眠ってしまったらしい。
既に俺の手荷物も持っている沢田が覗き込んでいる。
「ん」
俺はゆっくりとした足取りで機体を降り、
1週間ぶりに日本の地を踏んだ。
入国審査も済ませ荷物を受取り、
俺らはハイヤーに乗り込んだ。
今日は斗賀の6カ月検診がある為、
杏花と斗賀の出迎えは無い。
それは、予め知っていたから納得はしている。
だが、やはり………寂寥感は否めない。
けれど、それを顔や態度に出せないのが俺の立場。
グッと奥歯を噛みしめ、
行き場の無い感情を噛み殺した。
溜まった決済書類を処理する為、
自社ビル兼自宅マンションへと向かった。
常務から不在の間の報告を受け、
溜まった決済書類を捌いたのは4時間後。
身体の疲れを解すように背筋を伸ばすと、