社長と極上の生活


降機した私達は要が手配してくれた車に乗り込む。


「大丈夫か?」


「……うん、何とか」


宿泊施設までは車で30分ほど。


斗賀は到着ロビーのアナウンスの音に反応して起きたけれど、


機嫌もよく、ぬいぐるみを握りしめ良い子にしている。


要は仕事のメールが入ったようで、


車内でノートパソコンを広げて仕事を始めた。


そんな彼をじっと見つめていると。


「そんなに見てて、見飽きないか?」


「見飽きるわけないでしょ」


「それならいいんだけど」


視線をパソコンに落としたまま、要が口にした。


そんな彼の耳元にそっと近づいて。


「仕事姿がカッコよくて/////」


運転手さんに聞こえないように小声で呟く。


すると、要は僅かに顔を横に振り、唇を奪われた。


「ッ/////」


ドキッとさせるつもりが、


逆にドキドキとさせられてしまう。


彼にとったら、私のモーションだなんてお見通しよね。


こんな風に、いつでも夢中にさせられてしまうんだもの。

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