社長と極上の生活
到着したのは、別府の街を一望できる
洗練されたラグジュアリーなアートホテル。
部屋はもちろん最高級の客室で、
部屋にかなり大きめの露天風呂完備で至れり尽くせり。
キングサイズのベッドの横にベビーベッドがあり、
部屋はリビングの他に和室まである。
更にはテラスに夜景を堪能できるソファーまである。
「要、夕食って部屋で?」
「ん、そのつもりだけど」
「良かった」
「斗賀の離乳食と授乳があるしな」
そろそろ卒乳に向けて減らさないとならないんだけど
初めての子だから、ちょっと勇気がいる。
そんな私の気持ちを理解してくれていて
要は決して無理強いしない。
本当に出来た旦那様。
「俺が斗賀を見てるから、先にお風呂に入るか?」
「う~ん、どうしよう」
今さら恥ずかしがるのも変だけど
旦那様に見られながら入るのもね……。
勿論、普通の浴室もあるんだけど、
せっかく温泉旅行に来たのに生理でもないのに……。
「じゃあ、夜にしようか」
「うん」
胸中を察してくれたようだ。
お風呂好きの私が斗賀を出産して以来、
ゆっくりとお風呂に浸かってない事をずっと気にしてくれていた。
だから、多分、今回の旅行は私への労いだと思う。