社長と極上の生活


2泊3日という限られた時間。


仕事が多忙な彼にとって、


丸々3日間休みを取るのは本当にいつぶりだろう。


あまりに多忙過ぎて、


体を壊すんじゃないかと心配になるけれど


要は『大したことない』といつも口にする。


一条を背負っているからこそ、弱音を吐けない。


幼い頃からずっと背負い続て来たから


今さら思考が簡単に変わるわけもなく。


そんな彼の心の負担が、


一瞬でも解れたらいいなぁと、いつも思う。


私という保温材で心の底から温められたら…。


特別に手配してくれた手作りの離乳食を斗賀に食べさせ、


私と要も贅沢な夕食を食べ終え、施設内を少し散策して。


斗賀をお風呂に入れ、母乳をちょっとだけ与えて。


要は慣れた手付きで斗賀を寝かしつける。


最近、ずっしりと重くなって来た斗賀。


寝かしつけるのに、抱っこしてると私の体が悲鳴を上げる。


生後8か月に入った斗賀は、


要の遺伝子が濃いのか、かなり手足が長い。


成長曲線を振り切るくらい大きめで、


有難いことに、健康に育ってる証拠。


生まれた時は小さめだったのに……。

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