社長と極上の生活


身支度を済ませて寝室へ行くと、


既にベビーベッドに寝かしつけた彼が視線を寄こす。


「要、……ありがとう」


彼の横に立って、すやすやと眠る息子を眺めていると。


「キャッ……」


「シッ」


急に要に抱きかかえられ、不意に声が漏れてしまった。


そーっとベッドに下ろされた私は、


半渇きの彼の髪に手を伸ばす。


そんな私の手を掴んだ彼は、


私の手の甲にキスを落として……。


求められるままに甘い口づけを交わす。


母になっても『女性』として扱ってくれる彼。


初々しさもなくなり、肌に潤いも無くなって来たのに。


それでも、以前と変わらず求めてくれる。


前に『求められるより求めたい』と言っていた。


女性からガンガンアピールされまくりだったであろう彼。


だからこそ、自分から求めたいと思うようになったのかもしれない。


それが、私であることに心から満たされる倖せを噛み締めて。

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