社長と極上の生活
小さい子供がいたら、弾丸旅行は出来ない。
だから、ゆとりのあるプランを考えてくれたようだ。
宇佐神宮は全国に4万を超える八幡社の総本宮で
白壁に朱塗りの柱が目を見張るほど美しい。
斗賀の健康と家内安全、商売繁盛を祈願して。
水族館へと向かう途中で昼食を摂ることに。
「要、運転代ろうか?」
「いや、大丈夫。少しでも睡眠取った方がいいから、道中寝てていいぞ」
「……本当に、できた旦那様ね」
「ホテルに戻ったら、休ませて貰うから」
仕事で疲れてるであろうに。
いつだって彼は私を気遣ってくれる。
水族館が初めてな斗賀は、
動く魚を目で必死に追っている。
それが堪らなく可愛くて。
要と2人で微笑ましく眺めて……。
カメラで写真撮ったり、
ビデオカメラで動画を沢山撮った。
*
終始働きっぱなしの旦那様は、
私でも斗賀でもない、全くの別の所をじっと見つめている。
その視線の先を追って、ほんの少し心が痛んだ。