社長と極上の生活
ベンチに腰掛けている私達。
要は私の頭をそっと優しく撫でてくれる。
「不安にさせてごめんな」
「っ/////」
優しすぎる言葉と眼差し。
彼が悪いんじゃない。
私の心が狭すぎるだけ。
要が誰に見惚れようが、
妻としてどんと構えてなくちゃいけないのに。
心の余裕がなさすぎて。
子育てにもう少し余裕が出来たら
もっと女性磨きに専念しなくちゃ。
今は斗賀が優先になってしまっているけれど、
要だってきっと思う所はあるはずだから。
「要、まだ見てないゾーンあったよね?」
「ん」
「行こう」
せっかく連れて来て貰ったんだもん。
楽しまなくちゃ、罰が当たる。
超多忙な要が仕事を休んでまで連れて来てくれたんだから。
「その前に、ソフトクリームでも食べないか?」
「アイス?」
「たまには、いいだろ」
「うんっ」
私がアイス好きなのを知ってて言ってくれている。
私のお店でも彼が本場のジェラートを取り扱えるようにしてくれた。
いつも先の先まで気遣ってくれることが何よりも嬉しくて。
「ストロベリー味、あるかな~?」
「あるだろ」
他愛ない会話も倖せに満ち溢れている。