社長と極上の生活
ホテルに戻り、夕食前に斗賀をお風呂に入れて。
お腹を空かせた斗賀はぐずり始めた。
「ちょっと授乳して来るね?」
「ここですればいいだろ」
「え?」
「誰もいないのに」
「要がいるじゃない」
「俺は別にいてもいいだろ」
「………」
要は気にしないのかもしれない。
けれど、私は気にする。
例え、授乳ケープを着けていたとしても
『母』として、要に見られたくなくて。
変な感情がいつもぐるぐると駆け回ってて
出来ることなら、授乳姿は見せたくないのに。
幻滅されないだろうか?
そんな感情に支配される。
「どうかしたのか?」
「………何でもない」
こんな感情があること自体、
きっと、いや絶対、母親として失格だと思うから。
幸いにもチュニック姿の私は、
斗賀を服の中に入れて、授乳する。
無意識に彼に背を向けて……。
すると、要はそんな私の隣に座った。
そして――――。