社長と極上の生活
3 女の影
半月後に臨月を迎える。
漸く、ここまで辿り着いた。
この長い長い道のりは、
私の25年の人生の全てを懸けて……。
本来であれば、出産を間近に控え
胎動も徐々に落ち着く頃。
胎児にとって動けるスペースが無くなり
母親のお腹の中で、
じっと誕生の時を待っているという。
けれど、少し小さめな我が子は
まだまだ余分なスペースがある為か、
毎日、活発に暴れ回っている。
脚の付け根から上腹部に至るまで
胎動と共にお腹の張りも著しい。
それは、攣れて軋んで激しい痛みを伴うが
我が子が元気に育っている合図だと思えば、
この痛みさえも愛おしいと思えてならない。
痛みは一時、感動は一生。
少し張り気味のお腹が気になり、
ふと、深夜に目が覚めた。
その時―――――、
「んッ?!!!」