社長と極上の生活
やだ、地震?!
静まり返る寝室に、
突如、大きな揺れが襲った。
時計を見ると、午前2時10分。
すぐ隣りで要が気持ち良さそうに寝ている。
………大丈夫よね?
揺れはすぐに治まるわよね?
揺れが分からないのか、起きる気配のない要。
地震が苦手な私は、
要の服をそっと掴んで、固く目を閉じた。
―――――早く治まって!!
ホテル勤務の頃、大きな地震に見舞われ
リネン室で仕事をしていた私は、
半日以上、部屋に1人閉じ込められた。
それ以来、地震の度に恐怖が襲ってくる。
だから、似た感覚の飛行機も嫌い。
予測不能な乱気流は死ぬほど怖い。
ギュッと固く瞑った瞼と真一文字の唇。
そして、必死に要の服を掴む指先。
身体の頭からつま先まで、
無意識に力が入っていた。
グラグラ……ぐりんぐりん……
ゆらゆら………ドドドゴゴゴッ……