社長と極上の生活
「杏花」
「……ん?」
「今のは地震じゃない」
「………へ?」
ポツリと呟かれた彼の言葉に唖然とする私。
「地……震じゃ………ない?」
「あぁ」
「凄く揺れてたじゃない」
要にはあの揺れが分からなかったの?
あんなにも激しかったのに……。
私は目を見開いて彼を見ると、
「杏花、揺れの原因は……ココだよ」
彼は柔和な表情で、
右手を私のお腹にそっと添えた。
―――――――えっ?
「えぇ~~~っ?!い、今の……胎動だったの?!」
「フフッ、あぁ、そうらしい」
要の言葉でハッとした私は、
すぐさま、ベッドサイドに置かれた
観葉植物に視線を向けた。
―――――――揺れてない!!
えっ? えぇっ? えぇ~っ?!