社長と極上の生活


店内に入り、まずは野菜コーナーへ。


リストに書かれている野菜を次から次へと。


カートを押す要の横を吟味しながら歩いて、


新鮮な物を選んでカートへ入れる。


次は人参ね。


手前に茄子が陳列されており、


その奥に袋に入った人参の山が。


私は右手に買い物リストのメモを


左手に人参を取ろうと手を伸ばした。


―――――――が、届かない。


んっ!!……あれ?


あっ、お腹が邪魔して届かないんだ。


私が必死で手を伸ばしていると、


「ん?」


要がその腕を掴んで、


「俺が取ってやる。背伸びするな、足元が危ないだろ?」


「………ん」


「それに、お腹が茄子に当たってる。茄子は傷んでも俺が買い取れば済むが、お腹の子に万が一、何かあったらどうするんだ?」


「………」


始まりました……超過保護な要様。


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