社長と極上の生活


「ごめんなさ「杏花様!!」


「あっ、はい!!」


突然、口を開いた彼女の声に驚く私。


思わず、じっと見返してしまった。


村岡さんはパッと明るい表情で、


「良い案が浮かびました」


「えっ?」


「私もご一緒するという事で、杏花様のご希望通り、お散歩致しましょう♪」


「えっ、でも外は大雨よ?」


「フフフッ、大丈夫でございますよ」


村岡さんは含み笑いをして、スッと立ち上がり


「では、ご準備を」


素早くテーブルの上を片付け始めた。


「………はい」


私は戸惑いながらも、


彼女の言葉を信じて、身支度をする事に。


動きやすい服装に着替え、長い髪を緩めに纏め上げた。


そして、村岡さんがいるリビングへと。


「村岡さん、本当に大丈夫なの?」


「はい、ご心配なく。その上着も要りませんから」


「えっ?」


村岡さんは私が手にしているレインコートをサッと取り上げた。


………どういう事?


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