社長と極上の生活


小1時間ほど、休憩を挿みながら


ゆったりと散歩を楽しんでいた。


11時を回り、そろそろ自宅へ戻る頃合。


社内専用エレベーターで30階へ向かった。


エレベーターから降りると、


ひと際、静けさを感じる。


他の階と違って、この階は社長室と特別室。


そして、役員会議用の部屋等、


限られた人しか入れない。


当たり前のようにシーンと静まり返っている。


私と村岡さんは、そんな階の廊下を歩み進め


要の部屋の前を通り、


プライベート用の秘密エレベーターへ向かおうとした


その時―――――、


要の部屋から人の声が漏れて来た。


その声は聞き覚えのある声。


私は無意識にその声のもとへ歩み進めていた。


―――――カチャッ


静かに部屋のドアを開けると、


「ッ?!!………―――」


ドアの先には1人の男性が携帯を手にして


誰かと話をしている最中だった。


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