社長と極上の生活
「…――…はい。では、来週火曜日に一条と共にお伺い致します。お忙しい所、有難うございました……失礼致します」
通話を終わらせた彼は、
ドアの所に立ち尽くす私を凝視した。
「……杏花様」
驚愕の表情の彼。
「沢田さん」
「………」
私を直視して、困惑の表情を浮かべた。
すると、
「聡、どうしてあなたがここにいるの?要様とご一緒なのでは?」
「えっ……社長は……」
村岡さんの言葉に動揺し始める沢田さん。
普段何事にも動じない彼が、
明らかに異常なほど動揺している。
だって、完全に目が泳いでいるもの。
「沢田さん」
「あっ、はい」
そんな彼に私は容赦なく訊ねた。
「要は今、どこにいるんですか?」
「えっと……それはですね……」
「打ち合わせと言ってましたが……」
「………はい、打ち合わせのような……頼み事のような……」
「頼み事?……何の?」