社長と極上の生活
自然と絡み合う視線。
次第にその彼の姿でさえも歪み始めた。
頬をつたう生温かな雫。
私は声を殺して涙した。
そんな私を見た要は、
「杏花ッ!!」
勢いよく立ち上がり、
我に返ったように慌てふためく。
「杏花様、参りましょう。お身体に障ります」
「………」
背後からそっと私の身体を包み込み、
元来た道へと促す村岡さん。
私は身体から力が抜けて行く感覚に襲われ、
彼女に寄りかかるような体勢で
部屋の外へと歩み始めた。
プライベート専用エレベーターの前まで来ると、
「杏花ッ、杏花!!」
要が慌てた表情で駆け寄って来て、
エレベーターに乗り込もうとする私の腕を
阻止するかのように必死に掴む。
そんな彼に、