社長と極上の生活
「痛いッ……離して」
「ダメだ」
「お腹が張り出したから、横になりたいの!!」
「ッ!!………」
表情を歪ませた彼の腕を振りほどいて、
村岡さんと共にエレベーターに乗り込んだ。
すると、すかさず要も乗り込んで来て、
無情にも扉は閉まり、
3人を乗せたエレベーターは上階へと。
扉が開くと同時に足早に降りて、
無言で自宅玄関へと急いだ。
靴音だけがやけに耳に着く。
リビングを通り過ぎ、上階の寝室へ。
村岡さんに付き添われながら歩み進める。
そんな私達を追うようについて来る要。
寝室のベッドに横になった私は、
頭まですっぽり隠れるように布団を被った。
すると、パタンと寝室のドアが閉まる音。
シーンと静まり返る寝室に
張り詰めた空気が漂い始め、
息をのんでじっとしていると、
ギシッとベッドが軋んで、
腰の辺りがほんの少し沈んだ。
そして……。