社長と極上の生活
「本人がその気になって分娩になってしまう事もあるらしいから、俺が黙ってて貰えるように頼んだんだ」
「えっ?」
「きっと、杏花は1日でも長くそうしていたいと思ったから…」
フッと微笑みかける要。
優しく私の頭を撫でながら、
「違ったか?」
これ以上無いほどの愛情を感じた。
私の想いをくんでくれた彼の行動。
その優しさと思いやりに胸の奥が熱くなる。
そんな事があったなんて、全然知らなかった。
あっでも、それと浮気は関係ないでしょ?
私は小さく息を吐き、
「じゃあ、さっきのはどういう事?」
少し睨みを利かせて訊ねてみた。
「ふぅ~~やっと、話を聞く気になったか?」
要はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「べっ、別に聞きたいワケじゃ……」
私はプクッと膨れて、更にキッと睨みを利かせた。
何だか、丸め込まれたみたいで腹が立つ。
私、まだ『浮気』を許したつもりは無いし、
言い訳を黙って聞くつもりも無いんだからね?!