社長と極上の生活


「そう、もっともっと吐いて~」


「フゥ~~ゥ~~」


「息が吐けなくなったら自然と素早く息を吸う」


「ハアァッ」


「そこで息を止める!!」


「ッ?!!」


要の指示通り、息を吸い込んだ状態で息を止めた。


「腹筋を下の方に押す感じに……」


「???」


「こうすると、自然と腸をゆっくり下へ圧迫出来るらしく、自然と下へ下へ胎児が移動する」


………なるほど。


『ん~~ッ!!』って、いきむ事は全くない。


けれど、これでホントに産まれるのかしら?


「要、ホントにこれで赤ちゃんが産めるの?」


「あぁ、無痛分娩とは言わないが、痛みを受け入れてリラックスした状態で分娩へのエネルギーに……かな?」


「へぇ~、いつこんな事勉強したの?」


不思議に思い、口にすると…


「さっき」


「へ?」


「フフッ、だから『さっき』だよ!」


「………えっ?………あっ!!?」


要はニヤリと不敵な笑みを浮かべ、


「ヤキモチ妬きの杏花ママ?」


「ッ!!////もう!!////」


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