社長と極上の生活
「なぁ、杏花」
「ん?」
「もう1回、やってみるか?」
「ソフロロジー?」
「ん」
「そうね。いつ産気づいても良いように呼吸法を練習しとこうかしら?」
「……だな?」
お互い笑顔のまま、再びリラックスした姿勢に。
私は胡坐を掻き、背筋を伸ばして。
要は私の目の前に同じく胡坐を掻いて、
両手は腰から大腿部へとゆっくり撫でながら、
「ゆっくり吐いて~~」
「フゥ~~ゥ~~~」
「もっと吐いて~~限界まで~~」
「ハアァッ」
限界まで吐いた私は、自然と息を吸う。
そして、要が腹部を下へと圧迫しながら促すと同時に
私は少しの間、息を止めて……。
彼の指示のもと、再びゆっくり息を吐いた。
暫く、2人で呼吸法を練習した後、
「ん~~………」
「どうかした?」
要が腕組みし、何やら考え事を。
私、何かおかしな所があったのかしら?