社長と極上の生活


「杏花、このカプリパンツ……脱ごうか?」


「へ?」


「幾らマタニティ仕様だからと言っても、胡坐を掻いたらお腹や腰回りが窮屈だろ」


「ん~それもそうね。じゃあ、スウェットに穿き替えるわ」


「えっ、あっ、そうじゃなくて……」


「えっ?!!////」


胡坐の体勢から後ろに片手をついて腰を上げると、


要はそんな私をふわりと抱きしめた。


「なっ、何してるの?////」


「ん?……脱がしてる」


「ッ////////」


要はウェストがゴム仕様のカプリパンツを


いとも簡単に膝まで下ろして、


露わになった大腿からお尻へと指先を伸ばして来た。


「なっ、何してるの??////」


「マッサージ?」


「ッ////////」


もう!マッサージなんて全くの嘘。


要の行動にドキドキしながら


こんな身重の身体でも欲情してくれる彼に


私は心の底から満たされ、癒されていた。


「杏花」


「ん?////」


甘美な声音で囁かれ、彼を見上げると


自然と彼の唇が重なった。


不安も恐怖も苛立ちでさえも消し去る


―――――――彼の甘い口づけ。


< 75 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop