社長と極上の生活
ふわりと大きめなバスタオルを彼女の肩に。
「じゃあ、先に入ってるからな」
「あっ、うん////」
背中越しに返事をする杏花。
入浴前だというのに既に頬を赤らめて。
そんな彼女をこれ以上、見続けたら危険だ。
紳士の仮面を被った野獣が
今にも暴れ出しそうで……。
俺は手早く服を脱いで、浴室へ。
杏花が入って来るまでの間、
俺は頭を冷やそうと、冷水を浴びた。
「はい、奥様。ハーブティーをどうぞ?」
「ありがとう」
ドレッサー前で肌の手入れをしている杏花。
そんな彼女と鏡越しに会話して、
一通り終えた彼女の背後に立った俺は、
「では、失礼致します」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
お互いにどちらからともなく優しい表情で
鏡越しに日課の声掛け。
俺は、柔らかくて長い彼女の髪をそっと掬い
丁寧に髪を乾かし始めた。