【超短編】湖
好奇心に負けて(戦ってないけど)、奥へと進んだ。
そこは‐
「わぁ…。」
森の一部が開けたような感じで、自分が立っている場所から、
離れた場所に、透き通った水が湧き出す、湖があった。
まるで、絵に描いたような美しい場所。
自分は夢を見ているんではないかと思い、頬を軽く抓ってみた。
「…痛い。」
夢では、無いようだ。
ふと顔を上げてみれば、視界に、赤いモノが映った。
それは、赤い羽を生やした、鳥のような生き物だった。
触れてみたい、そんな衝動に駆られ足を踏み出した。
その時、パキッと足元で乾いた音がした。
瞬時に身体を硬直させ、足元を見れば、折れた枝があった。
ああ、何だ、そう思ったと同時に