【超短編】湖
衝撃を予知して、目を閉じ、身体を硬くした。
が、思っていたより衝撃は少なく、布団の上に落ちたようにふわふわ…
「布団!?」
硬く瞑っていた目を開ければ、そこは自室だった。
「あれ、確かに、外に出た筈なんだけどな…」
おかしいな、と思いつつも手を見れば、
真っ赤な羽が在った。
フッと笑い、それを机の上に置いた。
これは俺が体験した、不思議な出来事。
忘れないように、このノートに全てを記そう。
朱華、もう2度と会えないかもしれない、けれどお前の事は忘れない。
そしてあの、綺麗な湖のある場所の事も。
俺は、羽を鞄にしまい込み部屋を出た。
‐END