青龍と桜
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「ねぇ、夜桜さん、また現れたんだって!」
「聞いた!青龍の姫をたった一人で救い出したんだってね!」
「あ~ん。あたしも夜桜さんに助け出されたい~」
「くぅ~やっぱり夜桜さんかっこいいぜ!」
「俺も夜桜さんの舞、みたかったなぁ」
朝から学校はこの話題で持ち切りだった。
「東條さん、桜色の目をした人、知り合いにいない?」
声をかけてきたのは、同じクラスの田中くんだった。
「ううん、いないけど…?」
「そうだよねぇ…」
私がいないと言うと、田中くんはがっくりと肩を落とす。
「ど、どうしたの?」
「俺さ、最近青龍に入ったんだけどさ」
青龍というのは、柊くんたちの族のことだ。
噂では結構強いらしく、敵対する勢力も多いとか。
「昨日、姫が白亜の奴らに襲われかけたんだよ」
姫というのは、もちろん浜里さんのことだろう。
「はくあ…?」
「あぁ、白亜というのは、青龍と同じぐらいの勢力で、あまりいい噂をきかないグループなんだ」
「ふーん」
「そこと最近抗争が続いてて、たまたま姫が一人でいるところを狙われたんだけど」