青龍と桜

「じゃ、気をつけて帰れよ」

柊くんは浜里さんにひらりと手を振って帰って行った。

「愛されてんね~」

ニヤニヤと真理が浜里さんをからかう。

「もぉ~そんなんじゃないって~」

浜里さんもまんざらではなさそうに答える。

「それで、浜里さんは誰の彼女なの?」

柊くんに当てられたのか、若干頬の赤い胡桃がも話に加わる。

「あ、私のことは美花でいいよ」
「じゃあ、私たちのことも名前で呼んでよ。私が胡桃で、お団子頭の咲月だよ」

胡桃が自分と私を指しながら紹介する。

「うん!胡桃に咲月ね。よろしく」
「で、誰なのさぁ~」
真理が美花に食い下がる。

「え~…た、琢磨っ」

言い切った美花は顔が真っ赤で可愛らしい。

「やっぱり総長かぁ」
「柊、残念!」

胡桃は納得し、真理は先程柊くんが出ていったドアを見ながらニヤケ顔で言った。


< 21 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop