青龍と桜
「じゃ、気をつけて帰れよ」
柊くんは浜里さんにひらりと手を振って帰って行った。
「愛されてんね~」
ニヤニヤと真理が浜里さんをからかう。
「もぉ~そんなんじゃないって~」
浜里さんもまんざらではなさそうに答える。
「それで、浜里さんは誰の彼女なの?」
柊くんに当てられたのか、若干頬の赤い胡桃がも話に加わる。
「あ、私のことは美花でいいよ」
「じゃあ、私たちのことも名前で呼んでよ。私が胡桃で、お団子頭の咲月だよ」
胡桃が自分と私を指しながら紹介する。
「うん!胡桃に咲月ね。よろしく」
「で、誰なのさぁ~」
真理が美花に食い下がる。
「え~…た、琢磨っ」
言い切った美花は顔が真っ赤で可愛らしい。
「やっぱり総長かぁ」
「柊、残念!」
胡桃は納得し、真理は先程柊くんが出ていったドアを見ながらニヤケ顔で言った。