青龍と桜
「私が総長の女ってことは、たぶんすぐに広まる。私も琢磨も隠す気ないし」
「だからね、総長の女ってことで、私、狙われることが多くなる」
急に美花の口調が力強いものに変わり、私たち3人は美花を見つめて黙る。
「私の友達ってことで、もしかしたら真理、胡桃、咲月も巻き添えになったり、狙われたりするかもしれない」
「でも、私、守るから」
「私、琢磨や青龍のみんなにはまだ言ってないんだけど」
「これでも転校してくる前、雷華っていう暴走族で頭張ってたんだ」
「今は、もう抜けたから、そっちには行ってないんだけど」
「雑魚相手なら負けることはないから」
「だから、友達として、守らせて」
「安心して、任しといて」
そう言って笑った美花は、寒い雪の中に咲く、一輪の花のように、凛としていて美しく、力強かった。
私たちはそんな美花に見とれていた。