青龍と桜
美花から解放されて教室につくと、今度はそこでクラスメイトの田中くんがたくさんの生徒に囲まれており、その会話の端々から手掛かりを見つけた本人だと知る。
以前、"夜桜さん"のことを聞かれ、しゅんとしていた田中くんを知っていたので、ようやく生徒たちから解放された田中くんに声をかけたのだった。
「そっか。東絛さん、姫と仲良いもんね」
田中くんの言葉に頷いたとき、柊くんが慌てて教室に入ってきた。
「柊さんっ!」
田中くんが柊くんを見て駆け寄る。
「田中、姫が白亜にさらわれた…っ!」
「っ!」
「これから全面戦争になる」
「、はいっ!」
「下の奴らをまとめ、第一学区までいけ」
柊くんに指示を出されると、田中くんは素早く教室を飛び出していった。