青龍と桜
「ダメだ」
沈黙を破ったのは、柊くんだった。
「なんでっ!」
「足手纏いだからだ」
間髪入れずに、静かに、きっぱりと拒否を突き付けられる。
「白亜とやるのに、素人のお前みたいな奴を守りながらでは、美花を助けだせねぇ」
「……」
柊くんの言葉は最もで、私は項垂れるしかなかった。
「俺はもう行く」
用は済んだとばかりに柊くんは踵を返して教室を後にする。
私は一人、夕陽が沈む教室で静かに涙していた。