朝だけの秘め事
ヒロとはいつもの公園で出会った。
というか、再会した。
彼は学生時代、密かに憧れていたクラスメイトだった。
いつものようにベンチで給水休憩をしていた私の前に突然現れた。
「こんな所で会えるなんて」
息を詰まらせたのは私。
「夢、な訳ないか」
息を呑んだのがヒロ。
ランニングウェアで身を固めた彼もまた、早朝ランナーだったのだ。
互いに戸惑いを覚えたのは当然。
私達が再会したのは、実家から少し離れた都内だったんだから。
偶然の出会いに最初はぎこちなく、けれどそれから毎日顔を合わせる度に話が弾み、そして話の流れで実は両思いだった事が判明した。