赤い月 終

ついさっきまで、傍にいてくれればそれだけでイイなんて思っていたのが、嘘のようだ。

触れたくてしょうがない。

欲しくてたまらない。

俺って、こんなに欲張りだったっけか?

うさぎに出逢ってから、今まで知らなかった自分を次々発見する。

嫉妬深かったり。
余裕なかったり。
情けなかったり。
欲張りだったり…

なんだか自己嫌悪に陥りそうな新発見ばっかりだケド、それだけ夢中なんだ。

カッコなんてつけてらンないくらい、君に溺れてるんだ。

もう、止まれない。
止まる気もない。


「とりあえず、先に謝っておきマス。
ゴメンナサイ。」


「は?
いったい何を…」


うさぎの問い掛けを最後まで聞くことなく、景時は彼女の滑らかな頬にキスをした。

額に、耳に、顎に、唇で触れる。

驚いて身を引こうとするうさぎの着物の襟に指をかけ、その頭を抱え寄せ、ハイ、イっタダっキマー…

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