赤い月 終

「フ…
そなたの嫁に、か。」


俺の嫁になるって、そんなにシュールなワケデスカ。


「それも、面白いかも知れぬな。」


余裕で凹むどころか、余裕で死ねるわ、コレ。


「考えておこう。」


余裕で100万回は‥‥‥

ん?

あら?

今、なんてった?

景時が垂れていた頭を上げると、うさぎは目尻に溜まった涙を指で拭っていた。


「うさちゃ… なんて?」


「考えておこうと言ったが。」


「…ナニを?」


「ん?
そなたに嫁ぐ話であろう?」




えー、整理してみましょう。


「うさちゃんが、俺の、お嫁さんになるコトを、考えてくれンの?」


「首輪は御免蒙るがな。」


ポカンと口を開けた景時の前で、うさぎは笑う。

また、笑う。

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